会社設立当初から自動車業界にEDIソリューションを提供してきた日本情報通信。JNXへのCSP参入と独自のEDIサービスとして、2006年よりJNX上にてEDIゲートウェイサービス(以下、EGW)を提供開始。サプライヤー向けに、効率的な企業間電子取引をサポートしている。

company_nic 本社は、中央区にある聖路加タワー
築地や銀座にも近い

日本情報通信株式会社 EDI事業本部 テクニカルサービス部第一グループ長 赤沼 弘史氏に、
EGWの特徴と今後の展開、JNXに期待することについて伺いました。

日本情報通信と自動車業界のEDIとの関わり

会社の概要や事業を教えてください

3de3b4d0afa71 NTT65%、日本IBM35%の出資会社として、30年にもわたり自動車業界へのIT分野に貢献している。 ロゴ全体を貫く「+」の横棒はネットワークを意味している

NTTおよび日本IBMにより1985年に創立され、IBM技術を活かしたシステムインテグレーション事業や、NTTのネットワークやクラウドサービスを含むマネージドサービス[*1]の各分野で、ソリューションを提供してきました。

会社設立当初から、自動車業界に普及していたEDIサービス、IE/EXサービス[*2]を提供。 JNXへは、認定サービスプロバイダー[*3]として、2000年より参画。JNX上にてIE/EXサービスとともに、2006年から自社サービスとしてEGWを提供しています。

EGWとは

EGWは、どのような特徴がありますか

EGWは、JNX上のASPとして各自動車メーカーと接続しており、各自動車メーカーごとに異なる取引データ(EDIフォーマット)や仕様の違いを吸収し、ユーザー自社の共通フォーマットに変換が可能なEDIサービスです。
お客様品番に合わせた単一受注フォーマットサービスも開始しました。

それらを実現するために、下記の主要機能を実装しています。
 ・EDIで一般的に使われているさまざまな通信プロトコル[*4]に対応
 ・各種業界メッセージ・フォーマットから共通フォーマットへの変換に対応
 ・Webブラウザからメッセージ送受信状況照会の管理機能を実装
 ・内示情報と確定注文の洗い替え処理 お客様マスターとの連携が可能

国内外のVAN[*5]接続を積極的にサポートし、業界ごとのフォーマットの違いだけでなく、日本と海外のEDIフォーマットの違いにも対応しています。

 

 

 

image02_nic_202303-thumb-1223x754-390 EGWは、取引先とのデータ交換に関わる「ゲートウェイサーバ」、「VAN」あるいは「HUB」のような役割として利用出来る

EGW 利用状況

どのようなユーザに利用されているのか

image03_nic 2017年は、東京と大阪で「NI+C EDI ユーザーフォーラム 2017」を開催。 最新のEDI情報/IT情報、企業のビジネス変革、経営課題解決のヒントとなる話題やを届ける「場」も設けている

全体の利用ユーザーは、現在受発注サイト数で1万以上、契約企業数で約1千社のユーザーさまに利用頂いています。JNXからの利用しているユーザーは、約550ユーザーとなります。そのほとんどが常時接続ユーザーで、JNX-LAでの接続は、30ユーザーの利用があります。

IE/EXからの移行とJNX上での展開により、全ユーザーの業界分布では、自動車業界が約60%、流通業界が約30%となっています。

JNX&EGWの効果

JNX上でEGWを利用することは、どのような効果がありますか?

サプライヤー(仕入先あるいは受注側)は、得意先の個別EDI方式への対応により、回線、通信プロトコル、トランスレータ、インターフェース等の機能が分散することなど、基幹システムへの取込まで、仕組み自体が複雑化してしまい、日々の業務で担当者は、相当の工数が取られてしまいます。
さらに現在サプライヤーは海外とのデータ連携も求められています。

EGWを採用することで、EDI機能・業務システムインターフェース集約、データの一元化、海外とのEDI通信がJNXにて可能になります。

サービスを利用する効果としては
 ・通信プロトコル、トランスレータ、転送などの機能はEGWで吸収
 ・自社側はスタンダードな回線、通信プロトコル、インターフェースが可能
 ・顧客の環境変化時の対応がスムーズ
 ・お客様の受発注データをお客様品番で統合、クラウドサービスとの連携が可能
 ・自動車業界だけではなく、幅広い業界との受発注業務がJNX上で可能
 ・国際EDI連携も拡大
が挙げられ、各機能を出来るだけ集約化することで、担当者の負担が軽減出来ます。

image04_nic_202302-thumb-1926x925-388 自動車メーカーから大量の受注があるサプライヤーにとって、EGWを採用することには、国内外の得意先のシステム変更や新規取引での基幹システムへの影響を最小限に出来るメリットがある

今後の取組

EGWが今後目指していくことは?

自動車業界におけるデフォクトスタンダードサービスとして更なる進化を遂げ、サービスの拡充を目指します。

最近では既に、EGWと連携する次のサービスの提供を開始しております。
・自動車部品サプライヤー様向け「EDIデータ統合・管理ソリューション」NEO
・金融機関との安全なEDI通信を可能にする「AnserDATAPORT接続サービス」

■NEO(NI+C EDI Order management system)
自動車部品サプライヤー様が抱える特有の受注業務の課題に特化したソリューションです。
「取引先毎の仕様に合わせた個別受注管理」「内示・確定・変更の注文データ引き当て」
といった課題を解決します。

内示・確定・変更・納品データ等を基幹システムの手前で標準化、
データの管理・修正が可能な画面を提供することで、サプライヤー様の生産計画をサポートします。

「EGW」と「NEO」を連携することで、より効率的に受注データを基幹システムに連携することが可能となります。

 

 

 

image05_nic_202302-thumb-2000x733-389 NEO データフローイメージ

JNXにより安心してデータ交換が可能に

ASP事業者から見て、JNXを利用する良さと期待することは

JNXを利用する良さは、JNX上にある受発注システム等のアプリケーションを非常に安心して利用できる点です。

JNXを利用することで、アプリケーションをインターネット上の脅威から守ることができ、セキュリティ面のリスクを軽減できます。

弊社もその利用者の一つであり、その中でEDIサービスを提供できていることは、EGWのJNXユーザーにとっても大きなメリットであると思っています。

今後も引き続きJNXサービスが提供されることを期待しています。

NIC NI+Cのビジョン「おもひをITでカタチに」。 ICTサービスを通じてお客様のSDGsへの取り組みをご支援するとともに、お客様のカスタマー・エクスペリエンス(CX)の向上に貢献してまいります。

取材後記
会社の誕生とともに、EDIサービスと共に成長してきた日本情報通信。EDIは、現在も企業間の直接接続が主流であることも多い。日本情報通信は、それらのサポートや、EDIサービスのASP事業で企業の期待に応えている。
電子データ交換(EDI:Electronic Data Interchange)の発展に今後も貢献し、さらにJNX上のASPとして活躍してもらいたい。

*1 本来のサービスに付随して発生する業務をまとめて請け負うアウトソーシングサービス
*2 EDI外部商用サービス
*3 JNXで認定を受けたネットワークサービスプロバイダ(Certified Service Provider)
*4 コンピューター間で、データをやりとりするために定められた手順・規約。ウェブではHTTP、ファイル転送ではFTPだが、末尾の「P」はProtocol(プロトコル)の略
*5 Value Added Networkの略。付加価値通信網

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「これからも最適なEDIソリューションを、JNXに提供していきます。」
日本情報通信株式会社
EDI事業本部 テクニカルサービス部
第一グループ長
赤沼 弘史氏

取材日:2022年7月
文中に記載している情報は、取材時点の内容です。
NIC
設立 1985年12月18日
資本金 40億円(2018年3月31日)
売上高 421億円(2021年度 連結ベース)
従業員数 1234名(2022年4月1日 連結ベース)
主要製品 ・システムインテグレーションサービス
・ハードウェア機器、ソフトウェア製品の販売 等
URL https://www.niandc.co.jp/